すれ違い

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 夜遅くベッドに入り、天井を見上げて、1人考えました。  息子たちを一人前の医者にすることが、私の使命だと思っていました。それが息子たちの幸せなのだと、信じて疑いませんでした。  しかし夫は言いました。拓実が医者になりたくないのならば、それでもいいと。  あぁ、私のこれまでの努力は何だったのでしょう?  夫のため、家のため、息子のためと思ってやってきたこと、全てが覆されました。全ては私1人が奮闘し、身を粉にしてやっていた一人芝居だったことを痛感しました。  夫は隣で静かに寝息を立てています。それを見るだけで、(はらわた)が煮えくり返りました。  いったい、誰のためにここまでやってきたと思っているんですか!私ばかりに押し付けて、あなたは子供の面倒なんて、全然見なかったじゃないですか!  拓実は自分勝手なことばかり。  拓真は我関せず。  私ばかり苦しんで、もがいて。  私はどうすればいいの!  興奮は治まりません。と同時に、自分への憐みと情けなさが入り混じり、その夜は寝付けませんでした。  私は一晩中、誰にも気づかれぬよう、ひとり涙しました。
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