11人が本棚に入れています
本棚に追加
夜遅くベッドに入り、天井を見上げて、1人考えました。
息子たちを一人前の医者にすることが、私の使命だと思っていました。それが息子たちの幸せなのだと、信じて疑いませんでした。
しかし夫は言いました。拓実が医者になりたくないのならば、それでもいいと。
あぁ、私のこれまでの努力は何だったのでしょう?
夫のため、家のため、息子のためと思ってやってきたこと、全てが覆されました。全ては私1人が奮闘し、身を粉にしてやっていた一人芝居だったことを痛感しました。
夫は隣で静かに寝息を立てています。それを見るだけで、腸が煮えくり返りました。
いったい、誰のためにここまでやってきたと思っているんですか!私ばかりに押し付けて、あなたは子供の面倒なんて、全然見なかったじゃないですか!
拓実は自分勝手なことばかり。
拓真は我関せず。
私ばかり苦しんで、もがいて。
私はどうすればいいの!
興奮は治まりません。と同時に、自分への憐みと情けなさが入り混じり、その夜は寝付けませんでした。
私は一晩中、誰にも気づかれぬよう、ひとり涙しました。
最初のコメントを投稿しよう!