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「次の日ホテルをチェックアウトして、宛てもなく歩いた。ひとまず南に向かって。
3時間ほど歩くと、田舎町に出ちゃって。右も左も分からなくて、たまたま見つけたコンビニに入った。
朝から飯を食べてなかったから、そこでおにぎりと飲み物を買って、イートインスペースで食べた。そしたらそこに、広告を見つけたんだ」
それは田舎ならではの、農家手伝い募集の広告。拓実はすぐにそこへ電話を入れたそうです。
「事情はあまり聞かれなかった。1人でも働き手が欲しかったんだろうね。行く宛てがないことを伝えると、住み込みでもいいって言ってくれて」
そこから、今まで経験したことの無い農家での生活が始まったそうです。
空いている離れの住まいを与えられた拓実は、そこで寝泊まりしながら、新しい生活を始めました。
慣れない作業に戸惑いましたが、3日もすると仕事を覚え、何もかも忘れて没頭する毎日を送っていたようでした。
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