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放 浪
それから数か月、拓実は普段通りの生活に勤しんでいました。学校を休まず、部活動に汗を流し、塾にも遅れずに通いました。
「……いろいろと、疲れちゃって」
確かに、高レベルの勉強と長い拘束時間を考えると、疲れる時もあるのでしょう。普段通りの拓実を見て、私はひとまずそっとしておくことにしました。
塾の無断欠席から4ヶ月が過ぎた夏休みの最中、もうそのことを忘れかけていた頃に、それは起こりました。
今度は拓実が帰ってこなかったのです。
「1週間したら戻ります。探さないでください」
来たのは、そのメッセージだけ。
電話をかけるも電源を切っているのか、繋がりません。メッセージを送るも既読にすらなりません。
安心しきっていたところに、降って湧いた災難。この事件は、私に会心のダメージを与えました。
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