ひとりじゃなかったんだ!

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また、今月もハルおばさんから、荷物が届いた。 お米やりんごや野菜がたくさん。 お礼の電話をする。 今回は必ずおばさんに話そうと思う。 事前に相談もしないで申し訳なかったし、もしかしたら、日の良い日に籍を入れた方がいいよとかご挨拶に伺わなきゃとか言ってくれるかも知れない。 でもいいんだ。 そんなことで二人がだめになることなんてないよ。 初めて僕と彼女が分かり合えた日、7月7日にする。 「ハルおばさん、長い間、僕のことを気にかけてくれて本当にありがとうございました。これからは二人で何でも乗り越えて行けるように頑張って行きます。荷物もこれで終わりにしていいですよ。おばさん、ありがとう。今度そちらに帰ります」 おばさんは静かに聞いてくれて、泣いているようだった。 「しあわせになってね。初めて健一が、わたしからひとり立ちしたような気がする。お母さんもきっと喜んでるわね」 僕は頷いていた。 「でも、荷物は送らせてね。おばさんの楽しみなのよ。 ラフランス好きでしょう」 僕はひとりじゃなかったことを痛感して、ジャンプしたい気持ちになったんだよ。
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