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おばさんは、僕が荷物のお礼の電話をするといつも嬉しそうだった。
「彼女はできたの?何かあったら連絡して来るのよ!」と必ず言ってくれていた。
でも実際の僕は全然楽しい生活なんてしてなかった。
どちらかと言うと暗くて他人と仲良しこよしするなんてこれっぽっちも思っていないような人間だった。
結局、大学も辞めてアルバイトを始めた。
母が残してくれた蓄えはあったけど、ずっと切り崩して暮らすのは、嫌だったから。
おばさんには言わなかった。
心配かけるだけだから。
バイト先でもほとんど口はきかず、必要最低限の会話のみに徹していた。
だってお金の為にそこで働いていると言うだけだったから。
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