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「……ちゅぅ、してもいいよ」
付き合い始めて半年。時は熟した──。
「え! いいの!? させていただきますっ」
私は、ゴクリと思わず生唾を飲んだ。
目をぎゅっとつむって彼を待つ。
しっかりと保湿された唇は、今日のために、この瞬間のためだけに整えたと言っても過言ではないくらいに潤っている。
色も、した後に困らないよう、ちゃんとほんのり色づくだけのリップにしてきた。
準備は万端。いつでも来い──っ!
と、思っていたのに。
「……ダメだ! もったいなくてできない……っ!」
「はい?」
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