epsode247

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「死んでほしいと思ったっていいんだよ」 今度は僕が彼の頭を優しく撫でる番だった。 「あなたがしてくれたこと、誰にでもできることじゃない。そんなあなたに僕は一生涯敬意を払いはしても――軽蔑することは決してないと誓うよ。あなたが何を考えたって――例えその考えが神に背いていたとしてもさ、僕はあなたを責めたり咎めたり絶対にしない」 そもそも彼のせいじゃないんだ。 この純粋無垢な人に醜い心を抱かせてしまったのもすべて――。 「九条さん、あなたのいう醜い考えを僕の中に注ぎ込んでしまえばいいよ」 「え……」 「全部飲み込むから頂戴」 僕のせい。 「全部飲み込んでしまうから……僕に下さらない?」 僕ら兄弟の因果のせい――。 彼が戸惑っているから。 僕が彼の上になった。 赤い唇をそっと近づける。 「んっ……」 そして彼の中の悪いものをすべて飲み込むように口づけた。
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