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知識の幅は無限大
昔は農家さんのことを百姓と言いましたが、その理由は彼等が幅広い知識と技術を持っていたからだと言われています。
作物の知識は勿論、季節や天候の変化を自然の中から読み解き、現代では機械操作や薬剤の取り扱いもお手の物。
ひと目で害虫や病気の種類も言い当て、その対策を熟知しています。
ここだけの話ですが、農家さんから造園屋を興したという親方さんは結構いらして、現在の勤め先も元々は地主農家さんだったと聞いています。
造園屋に必要な知識が揃っていて、道具も殆ど同じなので起業しやすいのかも知れません。
そうやって起業した会社で若手が育ち、そこからまた独立する人が現れて―――、中には大手の造園会社で武者修行して、実家の家業を継ぐ後継ぎさんもいるとか。
造園屋は縁の下の力持ち的な仕事ではありますが、その技術や知識は脈々と若い世代に受け継がれ、時代ごとに進化しながら文化として根付いていると思うと、感慨深いものがあります。
私も若輩ながら竹垣を作ったり、支柱を立てるに必要な技術は備わっていて、新人に教えるときは何とも言えない使命感のようなものを感じます。
さて、そんな少なからず歴史ある造園屋の一人である私ですが、この仕事に就いて特に深まった知識があります。
ズバリ、機械です。
昔は興味すらありませんでしたが、仕事で使うに当たり定期メンテナンスは必須ですので、チェーンソーなどは毎回、分解して掃除もしないといけません。
なので、初年度から先輩達から叩き込まれ、馴染みの機械屋にも熱血指導をされ、手入れに必要な一通りの分解から組み立てまで、すっかり出来るようになりました。
高校から大学まで造園を学んできましたが、実際に職としてやってみなければ身につかなかった知識と言えます。
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