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そして迎えた昼休み。
ご飯を食べて泥のように寝ます。
最初は遠慮して寝ませんでしたが、一月も経たずに限界を知りました。
それまで工事現場の人が、車や建物の影で爆睡する様子を内心、見苦しいなどと思っていた己を殴りたい。
ごめんなさい。
思い知りました。
寝ないと体がキツイのだと。
そうして午後も、刈って刈って刈って。
一頻り刈り終わったら片付けに回ります。
が、これがまた大変な作業です。
造園の仕事たるもの片付けまでがお仕事です。
集草は基本、人力。
水辺の草など乾きにくい為に特に重く、ブロワーが役に立ちません。
エンジン全開でも、重くて大して飛びません。
人海戦術あるのみなので、熊手で掻いて掻いて掻いて掻いて―――。
そして一頻り集めて山にした草を約畳二、三枚分の大きさのブルーシートに乗せて運びますが、その重さ約二十キロ。
汚れは覚悟、肩に担いで軽トラックに運び入れ、また乗せては運び入れるを繰り返すこと数十回。
荷台一杯になったら契約している近くの回収業者さんまで運搬です。
この公園では園路の狭さと地面の緩さから軽トラでしたが、大量のゴミが予想される時は基本ゴミ収集車で知られるパッカー車に積み込み運搬します。
運搬は運転手一人入れば十分なので、残る人間は戻ってくるまでゴミを車両に乗せやすく移動しつつ、刈り損じの確認や零した刈草ゴミの回収。
同時に混ざっていたポイ捨てや不法投棄の回収撤去もすることも―――。
この後の話にも繋がりますが、この仕事をしておりますと人のモラルの低さを感じずにはいられません。
日本人はマナーが良いと言いますが、嘘だと言いたい。
それらをこなしても時間が余れば小休止ですが、その時、必ずと言って話題になるのが、捨てに行ってもらった刈草ゴミの重量。
戻ってくるまで予想し合い、缶コーヒーを賭けたりなんてことも。
そんなこんなで終わる頃には全身泥だらけ。
恐らく、何かの残骸も一緒に浴びていますが考えないことにしています。
男性陣は人目も憚らず(いや、気にしろよとは思いますが)その場で豪快に着替えます。
しかし、私は女。
事務所に戻るか家に帰るまで、この状態なことも多々あります。
対策としてヤッケやレインスーツを着る手もありますが夏場は暑くてとても着ていられず、我慢しかありません。
最後に使った道具を軽トラに積み込み、事務所で片付けや水洗い、点検をして倉庫に戻したら業務は終了―――とはならず、今度は書類整理。
その日の作業の進捗や作業に掛かった経費などをパソコンに打ち込み、取引先への報告書類作成。
その上で上司にその日の進みと今後の予定を報告して、やっと終了―――。
定時は十七時ですが、余裕で十八時を超える日々です。
(ちなみに朝は現場によりけりですが、事前準備のため朝七時には出勤)
結論。
造園業、基本3K(キツイ、汚い、危険)のブラックです。
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