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安全と実用性
造園屋と聞いて皆様、頭に手ぬぐい、半纏に地下足袋、ニッカポッカ(鳶職ズボン)を思い描く方が多いと思います。
まあ、地下足袋と頭の手ぬぐいは外れてはいません。
私も使っています。
しかし、半纏にニッカポッカは危険です。
と言うのも、我々木登りなどをしますので、枝に引っ掛かるような服は着られません。
有事においては、機敏に動けないといけません。
有事って何か―――。
ハチです。
アシナガバチ、スズメバチです。
やつら「取り敢えず刺しておこうか」くらいの勢いで襲いに来ることがあります。
しかも、生け垣などを刈り込みしていると定期的にその巣に遭遇します。
危険性は言わずともです。
襲撃時は道具を放り出してでも逃げなくてはいけません。
作業上、生け垣の中に踏み込んで作業する場合もあり、危険回避のためにも服装には注意が必要です。
それからヘルメットと手袋は必須で、手拭いは汗防止に中に巻いています。
何故かって、ヘルメットは言わずともですが繁忙期の夏は虫の季節。
蚊に限らず、毛虫にブヨにハチにと危険害虫に晒されます。
そのため首にはタオルを巻き、夏でも長袖でできる限り肌の露出をなくします。
私の職場では鮮やかな青のシャツに紺のズボンとブルゾンが制服で、ヘルメットは緑。
ヘルメットは似たような格好の職人が集まる工事現場において、同僚を識別しやすいようにする為で、青のシャツは万一の事故や体調不良で倒れた時、見つけやすくするためです。
造園に限らず建設業の現場では、常に事故の危険が伴うので、服装は安全対策の要となります。
ヘルメットに名前の他、必ず血液型が書いてあるのも意識を失った状態で輸血が必要となった時、すぐに必要な処置が出来るようにするため。
そして意外かもしれませんが、ヘルメットにも使用期限があり、汚れや傷、首紐の綻びなど日常的に確認して、必要によって交換してもらいます。
私の職場ではヘルメットと制服は支給されるのですが、その他は原則、個人の実費です。
それって酷くない?と思われるかも知れませんが、手袋や靴類に関しては個人の好みや着け心地の問題があり、その値段もピン切り。
私は何かしらに引っ掛けて破いたり穴を開けてしまうことが多く(知人からは破壊神と呼ばれました)また、受け持っている仕事の関係から靴はすぐ履き潰し、小柄な為サイズが無かったりという問題が多く、買いやすいワーク○ンの安い手袋と地下足袋を転がしています。
逆に長持ちするからとキャンプ用品の某ブランドメーカーを愛用する人もいて、本当に様々。
私の会社では雨の日も作業するので、レインスーツと長靴も個人で調達し、同僚同士で何処のメーカーが良かったかなど、話のネタにもなっています。
服装類に限らず、腰道具(剪定鋏、木鋏、鋸など)も自分で好みを選び、業務内容によって使い分けています。
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