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次に道路の草刈ですが、相当汚い話が入るので、かなり嫌な話になります。
まず初めに道路の面倒なところとして、警察署まで行き、道路許可証を取らなければならないこと。
そして、その許可には期限が決まっていて作業時間が制限されやすい点です。
また警備員の手配や安全対策の徹底―――、大量のカラーコーンや看板の設置は勿論、車両の配置なども相当な気を使います。
ここまでの下準備だけでも中々の手間ですが、作業時の緊張感たるや半端じゃない。
すぐ真横を車や大型トラックが時速四十キロ以上で走り、ボーっとなんてしていたら余裕で轢かれます。
そういう現場です。
草刈担当もいつも以上に物を飛ばさないよう警戒し、防護ネットを持った仲間にぴったり寄り添って息を合わせて進まねばならず、精神的にも疲れます。
万一、走行中の車に飛来物が接触して窓を割ろうものなら大事故になり兼ねません。
そして、往々にしての炎天下。
警備員やカラーコーンの配置などから車両は早々動かせず、休憩は道具の見張りも兼ねて路駐した車の中で取ることが多く居心地が悪い。
時には邪魔だとあからさまに睨まれることも。
故に、作業の後戻りができず草刈担当は一発刈り(刈り直しをしない)を求められます。
掃除担当も風が強い日にはゴミの散乱を防ぐため、スピードを試されます。
そして一番嫌なのが、草の中から出てくるポイ捨てゴミの数々。
煙草の吸殻から空き缶に弁当のプラごみ、ペットボトル、その他諸々。
回収の問題から草ゴミと仕分けなくてはならない現場もあり、これがかなりの手間。
そして、最悪なのが茶系の液体の入ったペットボトルと使用済みティッシュに【物】が入ったビニール袋。
察しの良い方は既にお気付きでしょう。
どちらも汚物(糞尿)入りです。
見るのも触るのも嫌ですが、これらを機械で巻き込み、辺りに飛散させてしまった日には―――……。
夏場は特に暑さで中身が膨張したり、腐敗が進み、機械の衝撃で爆発することもあって、最早テロです。
不運にも浴びてしまった日には発狂したくなります。
あまりの臭いで吐きますし、撒き散らしてしまった時はそれが掛かった草ゴミを集めなければならないという苦行が待っています。
ここでも回収はもちろん人力です。
考えたくはありませんが、掃除に関わった全ての道具が汚染されます。
熊手は勿論、手箕もブルーシートも、自前の手袋も―――。
差別的かも知れませんが、お○っこ入りペットボトルは長距離ドライバーがやることが大半で道路草刈の時は必ず遭遇します。
汚物入りビニール袋も然り、民度の低い犬の飼い主が分かっていてやっています。
容器や袋に入れてるんだから―――、などとほざくようならば我々にぶん殴られることを覚悟してください。
容器に入れられては、雨でも流れず永遠にそこに残るのが想像できないのでしょうか?
夏の暑さで腐り、臭いもバイ菌も桁違いになることを理解できないのでしょうか?
この仕事を初めて以来、申し訳ありませんがドライバーにも犬の飼い主にも疑いの目を向けてしまいます。
同業者は口を揃えて言います。
この仕事を体験した造園屋にポイ捨てするやつはいない、と――――。
同業者はそれだけの殺意を同胞が抱いていることを知っているのです。
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