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暫し見惚れてしまった気持ちに喝を入れ、僕もすっかり覚えてしまったおかしな呪文を唱えながら踊る。
どうしてもコツが掴めなかったタイミング、振りの順や動作が自然に身体に入って来ていた。
「あ〜! 航輝がまた最年少に変な指導してる!」
集合時間 間近になり、集まった先輩達に誂われても気にも留めず、航輝さんは、他の日も時間が許す限り自主練に付き合ってくれた。
そして、他の先輩達も協力してくれ、僕は初めてのライブを何とかやり遂げる事ができたんだ。
勿論、完璧ではない。反省点だらけだ。
それでも、お客さん達の歓声が凄くて、笑顔がすごく嬉しくて、それが僕に向けられてるものじゃないのは分かってたけど、来年は、僕の為に来てくれる人が居たらいいな……とそう思えた。
どうしようもないほど心の底から湧いて来る感動の後に覚えたのは、意欲に他ならなかった。
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