ねえ、好きなんだけど。

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勿論、嬉しいのは二人の映画がやっと公開されるってこと。 これは僕の宝物になる筈だから。 でも この遠征は、僕にとってすごく嬉しく楽しい大きなおまけ……いや、頑張ったご褒美なんだ。 僕は映画撮影の余韻を引き摺りつつ、この1年の間、もっともっと飛躍すべく必死に仕事をした。 その甲斐あってか、ドラマや番組のオファー、雑誌の取材なんかも増え、インスタのフォロワー数もどんどん増えていってる。 写真を投稿する度、コメントくれる人達、仕事関係の投稿をすると、作品を待ちわびているという言葉をくれ、すごく励ましになっている。 僕は、松下(まつした) 有宇(ゆう)。18歳。 俳優として活動を始めて3年ちょっと。 僕は、彼のことが大好きだ。 人間として、 男として、 役者として……。 この『好き』ってどんな気持ちなんだろう? 気付いた時には、もう答えを突きつけられてる気がした。 でも…… 彼にとって、僕は違うよね…… 世話のかかるただの後輩。 「ちゃんと上着 着ないと風邪ひくぞ」 「ユウ、袖にご飯粒ついてる」 いつも目を細めて笑って、僕を子ども扱いする彼。 6歳下は そんなに子どもですか? いや、その前に!! だよね? もっと大前提が、僕の目の前に立ちはだかっているんだよな……
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