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18 そして美味しく・・・
食べられた。
パクっと美味しくいただかれてしまいました・・・・
気がつけば翌日の朝とか勘弁して欲しかったよトホホ・・・
腰がダルくて目が覚めるなんて、うら若き乙女としては、あるまじき失態・・・ ああ。
もう乙女じゃないのかぁ・・・
こんちくしょうめ。
見慣れない寝室で目が覚めた途端、温かさを感じて横を見ると自分の顔の直ぐ側に瞼を閉じて眠る天使のように美しいフレデリックの顔がある。
『なっがい睫毛・・・』
それを見ながら、そして昨日の出来事を思い出して赤面しながら脱力する器用なカサブランカ嬢。
××××××××××
カサブランカに自分の想いが通じたと気が付いたフレデリックの表情が、天使のように美しい笑顔から捕食野獣モードへと切り替わるのはあっという間だった。
止める間もなく不埒な手が彼女のデイドレスの少しだけ開いていた襟元を力ずくで押し下げ、まろび出てきた白い豊かな胸に夢中でむしゃぶりつくフレデリック王子。
「あ、ああン、ダメェ」
カサブランカも気持ちが良くなりつい艶っぽい声が出てしまう・・・
ああ、こうやって何回も押し負けたんだっけ?!
そんなことをぼんやり思い出していると、
「上の空とはいい度胸だな」
ニヤアっと笑う猛獣が彼女の胸に赤い花びらを思う存分散らし終わったらしく、気が付けば彼女の顔を覗き込んでいた。
「ひぇっ・・・ そんな滅相もない、上の空なんて・・・」
「あー、大丈夫だ」
「?」
「上の空になんかなる暇、今から無くなるから」
「は? え?」
「ちゃんと公爵夫妻には許可貰ってるから大丈夫だ。俺、今日で18歳で成人だからな♡ きっちりサービスするからさ」
「え、何の許可? サービス? えっ! 成人?!!」
「そ。今日からお前の誕生日までは同い年だからな。んじゃ覚悟して」
華やかで見惚れるような笑顔で鮮やかにウィンクされ、もう1度深く口付けをされる。
彼の舌が自分の歯頚と上あごを丁寧にを舐ると舌を絡ませてくるその様に、懐かしさと背中がぞくぞくするような愉悦を思い出し、身体の奥がズクンと熱を持ち始める。
――ああ、そうだ。これがいつもの合図だった。
乱暴な口を利く癖に、口付けはこれでもかというほど甘く優しいのだこの男は――
胸の中心が愛おしさでキュッと痛くなり彼の背中に手を回しカサブランカがその次を求めると、
「婚姻式までもつわけねえや」
そうフレデリックが一言呟いて――
プラチナブロンドの柔らかな毛をした猛獣の2つのサファイアブルーの瞳が嬉し気に瞬き、その薄い唇がにんまりと弧を描いた。
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