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~プロローグ:星戦の始まり~
黄道十二星座は星座候補星たちの憧れの的だ。
全八十八星座の中で一際黄金に輝く十二星座。即ち羊、牛、双子、蟹、獅子、乙女、天秤、蠍、射手、山羊、水瓶、魚は太陽の輝きを浴び、星々の大海で煌めき、世界を照らす。その煌めきは永遠に色褪せる事なく、美しく光照らす。
名誉ある十二星座。
しかし、その輝きに憧れるあまり反逆を企てた星座がいた。
その星座は蛇使い座。名をオピュクス。
神々を敵に回す用意周到な計画は、黄金星座の一星によって未然に防がれる。その代償に蛇使い座は罪星の審判が下され、星々の一覧から除外された。
一度犯した罪は消えない。星座の記憶は代々受け次がれ、世代が変わろうと過ちの残滓は残り続ける。
だけど、いつまでも過去に囚われたままではいけない。大罪を償うために蛇使い座は代々、黄金星座たちを支え続けた。
蛇遣い座マルクの父も祖父も曾祖父も。それこそ、数え切れない年月を掛けて。絶え間ない努力の結果、唯一と謳われる医星として認められた。
マルクの父や母もその証を引継、今日も傷ついた患星を救っている。いずれ自分もそうなるのだろう、と思っている。だが定められた運命を進むのが正しいのか分からない。マルク自身、本当にそれでいいのかと悩んでいる。悩み続けている。
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