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ゴツンと軽やかでは無い音を立て、杯を交わした。そして勢いよく喉に流し込む。甘くて苦く、そして脳が暖かくなるのを感じる。
「おつまみは無いんですけど、我慢して下さいね」
初対面の人に酒を奢られて少し恥ずかしいが、別に良いかと開き直った。こんなめでたい日なんて今後起きるか不確定なのだから。
「西野さんって結構ジャンキーな物が好きなんですね。お酒に煙草って中々に健康に悪いと思いますけど」
「……今っていつ何かあるか分からないじゃ無いですか。もしかすると明日死ぬかもしれないですし。走馬灯が流れる時、お酒とか煙草の記憶で埋めつくして、下らない人生だったと笑いたいんです。馬鹿みたいな動機ですよ」
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