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雪花
珍しく温かいはずのこの地域も
寒さが増してきた
風に吹かれながら
花びらのように
白いものが散っている
濃紺の手袋についてくるものは
華のように魅せて
すぐ消えていく
息を吸い込むと
冷たい華が
身体に溶け入り
どこかに積もってくよう
ずっと空を見上げながら
まつ毛につくのを
瞬きしながら払い落とす
イルミネーションで着飾れた
町並みよりも
こんな小さな雪の華に
想いを寄せる変わり者は
私だけなんだろうな〜と
忙しげに通り過ぎゆく人を見ながら
一人ほくそ笑む
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