ダダ漏れ(と私の限界)

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 あ、もちろんね。  本当にはやってくれなくてもいいの。  ただ、「大変そうじゃね。洗濯ぐらいちょっと手伝おうか?」とか、そういう気遣いをしてもらえるだけで頑張れたと思うの。  それがなかったから辛くて凹んだだけ。  恐らく気持ちの問題だったんだと思います。  多分ね、「手伝おうか?」って言われれば「いや、姉ちゃんも子育てで大変だろうし、大丈夫よ」って返せたと思うの。  でね、私も「よし!」って奮起して頑張れたと思うんですよね。  それがなかったからただただ辛かったんだと。  そして……そういう気持ちを理解してくれない父に幻滅してさらにテンション駄々下がりという悪循環。  余りに腹立たしかったので、19日の朝は私、母に持っていくものの準備、ボイコットしました。  でも何の罪もない母に不便な思いをさせるのは本意ではないので、父にあれこれ口だけは出しておきました。 (●●を持って行って、××は持った?、みたいに)  お茶とかタオルとかパンツとか腹帯とか…そういうのを袋に入れるぐらい、父でも出来るだろうし、と思ってのことです。  いつもはそういうのも全部私が支度(したく)して、「はい、これ持って行ってね」って言ってたんですが、この日はさすがにそういう気分になれませんでした。  母さん、もし不便な思いをさせてしまったとしたらごめんね。  夕方には笑顔で会いに行くからね、と思いつつ。  母さんの腹水が減りますように。  黄疸がこれ以上酷くなりませんように。  胃のチューブのところから来る痛みの影響がなくなりますように。  血液の成分が皆、基準値内に戻りますように。  全ての状態が快方に向かいますように!!  しんどいって思いながらも、心の底からそう願っていたのだけは確かです。  でも……。
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