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 実は納棺の前に納棺師の方がお二人家に来てくださって、母の遺体をお湯灌(ゆかん)(いわゆる入浴)して、着替えさせ、美しい死化粧を施してくださいました。  我が家が頼んだ施設でのお湯灌(ゆかん)は、浴槽などの設備が整った車両が家まで来てくれて、仏間に防水シートが敷かれてから専用の浴槽で行われました。  故人が恥ずかしい思いをしないよう、大きなバスタオルで身体を隠してもらった母が、浴槽の中でシャンプーしてもらったり身体をきれいに洗ってもらったり。  私たちの目の前で色々進行していったのですが、母の身体が一切見えないよう上手に布や浴衣で隠しながら全ての作業を丁寧に的確に進めていく納棺師の方々の所作に、ただただ見惚れたのを覚えています。 (一事が万事、母の尊厳をとても大切にしてくださる扱いでした)  葬儀社にお願いしてのオプションサービスだったのですが、して良かった!と思えたサービスでした。  母は亡くなった後、病院で看護師さんたちがアルコールなどで清拭(せいしき)して少し化粧も施してくださっていましたが、やはりちゃんとお風呂に入れて化粧直し出来たのは、綺麗好きな母にとってとても幸せなことだったんじゃないかな?と思いました。  きれいに身支度を整え直して棺に収まった母は、とても綺麗で今にも起き出して「うなちゃん」と話しかけてきてくれそうに見えました。
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