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母からのギフト
さて、たくさんの幸せを私にくれた最愛の母。
彼女は亡くなる間際まで適齢期を過ぎた私に良縁がないことをしきりに心配していました。
そんな母の49日にあたる2008年8月7日(木)。
10年以上疎遠だった元彼から突然電話がかかってきました。
母が生前勤めていたコンビニの常連だったらしい彼。
ある日突然姿を消した母のことが気になって、私と共通の友人に打診したそうなのです。
「うなののお母さん、いきなり見んなったけど何かあったん?」って。
そこで母の死を知った彼は、生前よくしてくれた母にお線香をあげたいと連絡してきてくれたのです。
――ほかに好きな人ができたからごめんなさい!
私の大学進学を機に遠距離恋愛になってしまったこともあって、そんな言葉と共に一方的に彼に別れを告げて10年ちょい。
ずっと連絡なんて取ってこなかった人でした。
街中で偶然出会えば「ふんっ」ってそっぽを向かれるし、私も「フった男に用はないわ」と無視を決め込んでいた相手です。
でも。
母へのお参りをきっかけに、「もし今フリーなら復縁して欲しい」と言われ……。
結局それが縁で彼、今では私の旦那さまになっています。
※ 6ページ目『コンビニ』(https://estar.jp/novels/26041077/viewer?page=6)のところでラストにちらりと書いた一文の回収です。
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