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がんセンター
3月の半ばに膵臓がんだと診断された母。
メインドクターは母を膵臓がんだと確定診断してくださった医師会病院の先生です。
が、癌の種類が厄介なだけに、こちらとしてもそのまま片田舎の病院に全てを委ねても大丈夫なのかな?という思いがあって。
父が「東京のがんセンターに行ったら何かええ治療法を見つけてくれるんじゃなかろうか」と言うので、それもそうだね……となって。
田舎の人間からしたら、東京ってだけで最先端ですもん。
ブラックジャックやDr.X(大門未知子)張りのスーパードクターがたくさんいて、神の手でチョチョイのチョイとガン細胞を切り取ってくれるんじゃないかという幻想を抱いちゃう。
実際はそんなことないんですけどどうしてもそう思いたかったんですよね。
とにかく希望が欲しかった。
そんなこんなでネットで色々調べて「国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院」に予約を取りました。
予約日に合わせて旅行会社で切符やお宿の手配もして。
その頃の母は時折背中が痛むことはあっても、いたって元気。
どこに病気があるの?ってぐらい普通だったので、私が仕事の合間を縫うようにして一緒に旅行会社に行った時にも、ニコニコと――まるで東京旅行を楽しむかのようなノリでカウンターに座っていました。
とはいえ、母はとても強い人でしたので、人前では決して弱いところを見せないところがあって…。
「母さん、父さんと二人きりで旅行するん久々じゃし、東京行くん楽しみじゃわ〜」と笑っていたのも、もしかしたらお芝居だったのかも知れません。
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