枇杷の葉

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 お茶とは別に、3月末頃から枇杷(びわ)の葉温灸も始めました。  ネットで「枇杷の葉温灸セット」を購入しまして、ネットでやり方をじっくり見て、毎日母にしてあげました。 ―― 【枇杷の葉温灸手順】  ①…枇杷の葉のエキスが出やすいよう2〜3分水に浸しておいた枇杷の葉の汚れと水気をきれいに拭き取る。  ②…①で出来た葉の上に8枚折りの布、その上に8枚折りにした専用の紙…の順で乗っける。  ③…②を枇杷の葉が皮膚(患部)側になるようにあてて、火を付けた棒もぐさ(もぐさを和紙で巻いて棒状にしたもの。火をつけると線香のようにゆっくりと燃えていきます)で指圧するように押し当てていく。 ――  私がやっていたのは大体こんな感じでした。  母が痛みを訴えていた背中を中心に温灸して行ったんですが、この時ずーっと薬師如来(やくしにょらい)真言(マントラ)「オン コロコロ センダリマトウギソワカ」も唱え続けました。  これ、購入した温灸セットの中に薬師如来の仏画とともに入っていたリーフレットを参考にしたんです。  「薬師如来に手を合わせ、真言を唱えることで病気治癒や健康長寿などの現世利益(りやく)を得られる」とか何とか書かれていたのを覚えています。  ホント、今考えると滑稽(こっけい)にすら感じられるんですけど、とにかくその頃の私はすがれるものには何にでもすがりついてました。 (おかげさまで今でも薬師如来の真言、(そらん)じていたりします。日常生活には露ほども役に立ちませんが)  そんな眉唾物の温灸でしたが、せめてもの救いは母が「温灸をしてもらうと痛みが(やわ)らぐ」と言ってくれて、毎晩温灸をするのを楽しみにしていてくれたことです。  温灸をしているとうつらうつらし始める母を見て、その言葉に偽りがないと思えたことも嬉しかった!  「気持ちいい。有難う」と言ってくれていた母の笑顔を、今でも胸に刻み込んでます。(宝物です)
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