お母さんね、背中が痛いの

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お母さんね、背中が痛いの

「うなちゃん、お母さんね、背中が痛いの」  寛太郎を亡くした2月の終わり。  母がそう言って淡く微笑みました。 「大丈夫なん?」  そう問いかけた私に、 「大丈夫。でも一応検査受けてこようと思うの」 「そっか。しんどいなら早めの通院がいいもんね」  何にも考えなく言った私に、母は「そうね」と言いました。      きっとこのときには既に思うところがあったのでしょう。  母は背中が痛いと言いながら、整形外科などではなく、初っ端から受診したのです。  エコーを受けた結果、「膵臓に影が見えます。よくないものかもしれないから、精密検査をしに総合病院を受診してください」と言われ。  すぐに医師会病院への紹介状が出ました。
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