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孫のために
痛みと吐き気と言えば……。
母には2008年当時、唯一の孫・Sちゃんがいました。
姉の第一子で、私にとっては姪っ子です。
2006年の夏生まれの彼女は、その頃はまだたったの2歳。
母が、目の中に入れても痛くないと言った様子で物凄く可愛がっていたのを覚えています。(初孫でしたし、ね?)
そのSちゃんを姉が連れてお見舞いに来た時のお話。
母は抗がん剤の副作用で結構吐き気を感じている時期で……しょっちゅう吐いてました。
Sちゃんが遊びに来た時も例外ではなく、強い吐き気に見舞われていた母。
でも下手に吐いたらきっと、幼いSちゃんが驚いてしまう。
きっとそう思ったんでしょう。
母はSちゃんに、「ばあちゃんね、なんか気持ち悪くって。びっくりさせてごめんね」って言いながら笑顔で吐いてました。
オエッてなりながら顔はニコニコ。
お陰でSちゃんはそんなに怖がることなく母のそばにいました。
私はそれを横目に見ながら、お母さんは本当にすごいなと思ったのを覚えています。
それと同時に、自分が幼い頃にも母が私と姉にとても愛情深く接してくれていたのを思い出してホロリとしました。
母はいつもとても大きな愛で子供を包み込んでくれる人で。
だからこそ、私は心の底から母の子供でよかったと……今でも胸を張って言えるんだと思います。
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