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バイトを辞めて日がな一日家にいるようになった母。
父は母が快適に過ごせるようにと、和室に大きなソファを買いました。
母が疲れたらすぐにそこへ寝そべることが出来るように。
和室にソファって…言うまでもなくすっごく不釣り合いだったんですけど、そんなことどうでも良かったんですよね。
それとは別に、もともと料理好きだった母が、しんどくなってもある程度は料理を作りたいって言ったから……キャスター付きのスツールも一緒に買いました。
座ったままキッチンで包丁などが使えるように。
母は基本元気な間は立って料理をしていましたし、座らなきゃいけないくらい体力が落ちた頃には料理ができるような状態ではなかったので、結局そのスツールが使われたことは殆どなかったのですが、今でも倉庫の片隅に仕舞われたそのスツールを見るたび、父の母への愛情を思い出します。
ちなみにソファも母が亡くなったあと、やはり倉庫の奥に仕舞われました。
病気になってからの母と結びつくものは、母が亡くなった後、自然と家から追い出されてしまった感じです。
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