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何もしてあげられなかった
母の手術、2時間かからずに終わりました。
結論から言うとタイトルの通り。
結局何もしてあげられなかったのです。
お腹を開けてみたら癌で一杯になっていて……脆くなった臓器はほんの少し触っただけで破れてしまいそうで。
胆管にバイパスを通すことはおろか、胃と小腸を繋ぐ措置も出来なかったみたい。
とても胃から下に食べ物が通過出来るような状態ではなかった、と。
母さん、だからあんなに吐いてたんだね。
結局胃にチューブを通して、水分だけは口に出来るようにして頂きました。
それにしたって、消化出来るわけではないので口にしたものがそのまま胃のチューブから外へ、と言うだけの措置だそうです。
口から栄養を入れられないので、今後栄養分は全て点滴から。
そんな状態ですから、先生に今月一杯か、持って来月頭までしか生きられない、と言われてしまいました。
辛いです。
実は開腹してすぐ、何もできないと分かった時に先生から手術室そばへ呼び出しがありました。
母の手術に際して、祖父母や親戚たちが沢山集まってくれていましたが、姉と父は仕事で不在。
祖父母は耳が遠いので「うなちゃんが先生の話を聞いてきて、皆に説明してほしい」と頼まれました。
結果、この、開腹したのに何もできない、母の余命が後数週間足らずという説明を、私はひとりで先生から聞かされ、それを待機室で待つ皆に伝える役割を任されました。
聞くのも話すのも死ぬほど辛かったです。
父や姉や祖父母とその負担を分け合えなかったことが心の底からしんどかった。
今でもあの日のことを思い出すと、口の中に苦いものが込み上げてきます。
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