時々刻々と変化する

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 そんな中、活性水素を沢山含んで癌にも効果があると言われていた、日田天領水(ひたてんりょうすい)で氷とお茶を作りました。  母が口にする水分はなるべくこの水を使ったものにしようと思ったのです。  もちろんお薬を飲む際の水も。  水が入ったペットボトルには全て「ありがとう」の文字を入れていました。  こうしておくと、水の結晶が綺麗になる、ってお話を伺ったので。  この()に及んでもなお、(いわし)の頭も信心から、と言う迷信めいたゲン(かつ)ぎもやめられずにいました。  だってね、ひとついいことがあっても手放しでは喜ばせてもらえなかったんだもん。  母が日々目に見えて弱っていくのが手に取るように分かってしんどくてたまらない。  そんな日々だったから――。  いいと言われたことには全力で(かじ)り付いていました。
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