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食品ロス削減
私は牛乳の品だしの手伝いをしていた。まず賞味期限の古い商品は値引きするので取り出す。その後新しい商品を補充する。
私は値引き対象商品をひとつ取り出す。それを台車の上の新しい商品の隣に乗せたところで、人に呼ばれ私はその場を離れた。
戻って続きをしようとしたところ、私は気づいた。台車の上の商品が新しい。
間違ったかなと思い、棚を見るが、皆新しい。
どうやら、お客様が一度手に取った物をこれと交換していったようだ。よくあることだ。 私は感動していた。わざわざ賞味期限の古いものを、しかも定価で買っていってくれるとは!きっと食品ロス削減に貢献しようと思ってくださったのだ。
そこで私は思い出した。学生時代の成功体験を。
私はコンビニでアルバイトをしていた。商品は先入れ先出しが基本。新しい物は奥に、古い物を手前に置いておく。
しかし、多くのお客様は奥の新しい商品を買っていく。
そこで私はひとつの実験を試みた。
わざと新しい商品を手前に置いておくのだ。 数時間後、デザートの棚を覗いてみる。
「実験大成功!」
お客様がわざわざ奥の古い商品を買っていかれたのである!
ーーまた試してみようか。
そんな誘惑が私を襲った。が、断念した。
実は入社したての頃、実験したことがあるのだ。実験は失敗だった。
奥から引っ張り出した上で、きちんと賞味期限を確認していく方が多かったのである。
食品ロス削減が叫ばれて久しい。
古い牛乳を買っていかれたお客様は、きっと古いことを承知でわざわざ買っていかれたのだ。きっとそうに違いない。
多分違うが。
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