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99%
桜井信二はドアを開けると、その者の姿に驚愕の声をあげた。
「おっっっ!お前、なんだよ!その恰好!!姿!!」
「何って、貴方が大好きな女優の無村香住じゃない」
「い、いやいや、何言ってんの、それに全然似てねえし!」
「そんな事無い、よく見て信二」
その者はにじり寄りながら、家の中に侵入してきた。
「は、入ってくるなよ!帰れって!」
「ひどい!せっかく貴方の為に無村香住そっくりに変身してきたのに!」
「だからどこが無村香住だよ!全然・・・あれ・・・え?」
「ふふ、ようやく気付いてきたようね」
信二はその者を見ているうちに不思議な感覚に陥ってしまう。
「確かに・・・目の形とか、鼻とか、唇とか、そっくりかも」
「そうよ、整形してきたのよ、ん!」
「あ、その口を閉じる癖!香住ちゃんだ!」
「ようやく、分かってくれたん?あ、関西弁出ちゃった!」
「そうか、香住ちゃんは兵庫県出身だからか!」
「私は無村香住だもん、オフはカジュアルな服装が好きなの」
「あー!それもテレビで言ってたやつ~っ!」
すっかりハマってしまった信二。
「私、信二が好きなの!だから信二の大好きな無村香住で全身を染めあげてきたのよ!」
「そ、そこまでして俺の事を・・・」
「うん!99%無村香住の私を抱いて!」
「・・・残りの1%は?」
「仕方ないでしょ、無村香住にはチンコが無いんだもん」
「だよな、お前男だもんな」
「うん」
「帰れ」
ー完ー
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