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二ヶ月後、私はまたオーディションを受けていた。今回は韓国アイドルを目指すものではなく、日本のドラマの主役を選ぶオーディション。
アイドルを目指して挫折した子が再起していくストーリーで、ちょうど今の私にも重なるところがある。今回は演技慣れした女優ではなく、新鮮さのある一般人から選びたいということで、一般公募から主役が選ばれる。これだ!と思い、応募することにしたんだ。
書類選考と二次三次を通過し、ついに最終選考。審査員たちの前に立ち、私は自分の名前を告げる。
そうしたら、審査員の一人が淡々とした表情で言った。
「自己アピールをしてください」
「個性が薄いことが、私の個性です。強い個性がない代わりに、私はどんな色にでも染まることが出来ます」
私はにっこりと笑顔を作り、堂々とそれを口にする。
19歳、中卒、資格も個性もない。
でもね、私は何もしてこなかったわけじゃない。ちゃんと努力してきたんだ。
歌だって歌える、ダンスだって踊れる。
演技だって出来る、バラエティだってきっとこなせる。
どんなグループにでも、どんなステージにでも馴染むことが出来る。
どんな色にだって染まって、演じてみせる。
アイドルにはなれなかったけど、私は私に合ったステージにもう一度立ってみせる——。
【完】
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