次男と三男

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次男と三男

「全くダメだ、やはり兄はこちらに戻ってくるつもりが無い様だ」 キン家の次男、タマトボウは憤慨やるせない様子。 「ギョーフン兄が今までタマトボウ兄さんの言う事に逆らった事なんか無かったのにね」 キン家の三男、ヨウビもギョーフンの心情を理解できていないが、次男のタマトボウほど取り乱してはいない。 「とにかく、兄はマインとかいうド田舎の領主を、気に入って続けていくつもりだそうだ」 次男タマトボウの口調は重い。 「待ってよ、タマトボウ兄さん。こういう場合さ、ギョーフン兄の収入はどうなっているの?」 三男ヨウビから質問がぶつけられる。 「ああ、今のところ兄ギョーフンの収入はギガストロア首都に収められている」 「そうか、良かった」 ヨウビはほっと胸を撫で降ろしたが・・・ 「安心するなヨウビ、その事だが、今月から5パーセントではあるが兄の収入がマインに流れているのだ」 「えっ⁉」 「私も先ほど帳簿を見て知ったのだ」 「い、いつの間に、しかしギョーフン兄はマインを離れていない。そんな指令書も届いていない筈だ。どうやって⁉」 「やはり先月から来たあの男だ、兄の紹介でいきなりキン財閥の経理主任として働いているあの男が何か知っている筈だ」 「あ、あの男か、何とも涼やかな男だが隻眼なのはやはりどうしても引っ掛かる」 「ああ、あの左目は刀傷によるものだ。しかし全くそれを意に介していない様な動き、タダモノではないぞ」 「た、確か名前は・・・」 「ギ・メイ」 「そうだ、とにかくギ・メイを呼ぶとするか」
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