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ギ・メイ、何者なの⁉
「失礼します」
ノックから入室まで流れる様に、その男の動きに無駄は無かった。
「ギ・メイよ、貴様に訪ねる」
タマトボウの他人や平民に対する態度は横柄だ。
「なんなりと」
「兄ギョーフンの収入が5%マインに流れている。これは貴様の仕業か」
「はい、ギョーフン様よりその様な指令がございましたので」
「ふざけるな、兄はその様な事が出来るほど知恵はない。貴様どういうつもりだ?何を企んでいる?どうやって兄に取り入った?」
「そう矢継ぎ早に聞かれましても、どこからお答えしようか」
ギ・メイと呼ばれる男は全く動じず淡々と答える。
「いいだろう、単刀直入に聞いてやる。貴様の目的はズバリ我がキン家の財であろう?」
「全く持って違います」
「まあ、そう言うであろうな、しかし私は今後そういう思惑の色眼鏡を掛けて貴様を見張り続けるからな」
本当は解雇してしまいたいが、兄ギョーフンの推薦でここにいる男を何の根拠も無しに処分する事は出来ない。
それではギョーフンの権威が軽く見られてしまう。
ギョーフンの事など特に気にもしていないタマトボウだが、キン家長男の威厳は、世間から見て偉大なものと思わせておかねばならないと思っている。
「全く忌々しい」
タマトボウは退出する。
「あ、タマトボウ兄さん!」
ヨウビも後を追って部屋を出た。
「やれやれ、ぬるいですねえ」
一人部屋に残されたヒショ・・・ギ・メイは呟いた。
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