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ベーコンとソーメン⑮
既に自分たちは要済みで処分される、その事実を知ったホンジとヤマカはあっさりとマイン側についた。
財務管理部職員オウ・リョウの指図で”食材”という名目で大量の金箔を仕入れ、財務管理部の金庫からこっそりとその代金は支払われていた。
頃合いを見計らって金箔を売り捌き、オウ・リョウとホンジ、ヤマカで山分けしていたのだ。
ホンジは店長の座をソーメンに譲ってヤマカと共にマインに移住、ソーメンとベーコンの殺害未遂や横領に加担していた罪はギョーフン預かりとなり、今後の協力次第で追って沙汰が下される。
「ふふふふふ、さて、手駒が急にいなくなったリョウは今頃慌てふためいているでしょう、一気に追い込みます」
「ギ・メイよ、悪い顔しとるぞ」
ザーコンは改めて一番怖いのはこの男だと実感する。・・・と同時に気にかかっている事を尋ねる。
「ギ・メイよ、聞いてよいか?」
「どうぞ」
「タマトボウはキン家の人間じゃな」
「はい、今更どうされました?」
「キン家の人間がキン家の金をかすめ取る、大した罪ではない気がするのじゃが」
「何を仰います、重罪ですよ。ザーコン殿は勘違いされておられる。キン家の財はキン家のものではありません。ギガストロア政府の物です、タマトボウがしている事は国の金庫に手を出している様なものです」
「おおおお」
「私はライ・・・マイン政府の金を不正利用する輩がいるとしたら、その手癖の悪い腕を切り落とすでしょうね」
「お主は本当にやりそうだ・・・」
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