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仕切り直し
ツトウの一振りを躱すギ・メイ、ギ・メイの反撃を躱すツトウ。
刃と刃は混じり、甲高い音を響かせ二人は一進一退の攻防を繰り広げる、
「す、すごい、ヒションと互角に戦える者がまだギガストロアにはいたのか」
「さっさとその男を殺せぇ!ツトウ!!」
離れた場所から戦局を見守るザーコンとリョウ。
その後もしばらく互角の攻防であったが、徐々にツトウの方が攻撃回数が多くなってきた。
「くっ!!」
「お前さんに恨みは無いが・・・許せ」
「ふっ、そんな一言で家族と共に外道に落ちるのか?」
「なっっ⁉」
ピタッとツトウの動きが止まった。
「何をしているツトウ!!」
リョウの声はツトウに届かない、聞こえるのはギ・メイの声だけ。
「これほどの腕がありながら伍長という役職な事が気にかかっていました」
「なんと・・・」
「貴方は誰かから脅されている、そしていつでもその黒幕の為に動けるように低い役職のままにさせられている。責任のある立場になるといざという時に本部から動けませんからね」
「お前さん、どこまで知って・・・」
「オガミイ・ツトウ殿。貴方は相当不器用な男の様だ、剣の腕は一流だが処世術は三流。だからキン家に逆らっては生きていけない、息子を養っていけないと思い込まされているのだ」
「・・・・・・」
「私を信じるなら、貴方にふさわしい生き方を示してあげます、まあ、それをして頂くのは我が主君ですが」
「・・・・・・」
「ふっ、いいでしょう。貴方を納得させるには一度、貴方を叩き伏せる必要があるみたいですね」
「よくご存じで、死んでも恨みっこは無しですぜ」
2人は再び戦闘態勢を整えた。
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