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密談
ギガストロア財務管理部、とある一室で誰かの声がする。
「ホンジ、ヤマカ、そしてリョウまでがマインに連れていかれた、ツトウもだ」
「どうするおつもりかな?」
「どうするだと?他人事みたいに言うな!なんだ貴様らの兵隊は!失敗ばかりの役立たず連中ではないか」
「・・・ヒションがあそこまでとは確かに計算外でした」
「ヒション?誰の話をしている?」
「マヌケめ、毎日貴様のもとにいるギ・メイという男の事だ」
「なんだと⁉ギ・メイは偽名だったのか⁉」
「そうだ、本名はミナゴ・ロッシ。まあ現在はコンピニン・ヒションという名前に変わっているようだが」
「な、名前などどうでもいい!そのヒションが私の計画を妨害しているのか」
「正確に言えば貴様のしている事を突き止めようとしているみたいだな」
「な、なんの為に?」
「貴様も兄のギョーフンと大して変わらぬマヌケだな。貴様もマインに取り込むつもりなのだろう」
「そ、そうか、兄と私がマインに移ればもはやキン財閥はマインのもの同然」
「まさか我々と同じ事を考える者がマインにいたとはな」
「その者が兄も操っているのか、しかし、何者だ?たしかマインは先の戦争で、多くの要人を失った筈」
「それくらいは知っておけ!ノーマ・ライズ、若僧だがナーデスの計画もその男が見破り、しかも直接殺したらしい」
「な、なんと!」
「ライズとやら相当の切れ者らしい。リョウは諦めるとしよう」
「奪還しないのか?」
「おそらく罠だ、また無駄に我が兵を失う事になる、もう用済みだ」
「しかしリョウは多くの秘密を知っている、本当にいいのか?」
「かまわん、ライズとやら。出来る男と言っても所詮は若僧、あの方なら何とかして下さるだろう」
「な、なにか策があるのだな、た、頼むぞ」
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