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2. 雪だるまに自慢した仮免許
明け方の白い冷たいシーツには失うものなど何もないのに
朽ちてゆく音聴くような心地して着信音を止める指先
冷たいと一度きりの言葉だった春の来る前の真水のような
冬、君が死んだことにするもう二度と愛さなくていい呪文のように
瞬きをするたび鷺が飛び立ってもう戻れないような気がする
一つだけ残ったコーヒーヌガーからほろびゆく夜の匂いをかいで
怒らせたあとのチーズフォンデューがやさしくて泣く子どもみたいね
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