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< ポテンシャル全開の貴文 >
それから……。
朝の日課の発声練習は、なくなった。
「おはよう」
貴文が、微笑ながら、朝から腰が抜けるようなイケボで、あたしに言う。
あたしは、朝から、夫の素晴らしいイケボを聞けるのだ。
そして、貴文が、会社へ着ていく行くスーツも、ブランドものではないが、あたしが貴文によく似合うと吟味して選んだスーツだ。
もちろん髪型にも、気を配っている。
こうして、今まで隠していたポテンシャルを発揮した貴文が、会社でどれくらいモテているかは、分らない。
そう言えば、理奈は、あれから、もっと条件のいい職場に転職したそうだ。
でも、そんなことは、もう、どうでもよくなった。
あたしは、ものすごくポテンシャルの高い旦那を持ち、その彼を誰よりも愛し、そして、その彼も、あたし一人を愛してくれている。
これ以上の、幸せがあるだろうか。
愛し、愛され、あたしは、サイコーに幸せなのだった。
ー END ー
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