ACT.2

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  「省吾兄貴…ほんとにあの人、兄貴のお嫁さん?」    茶の間に落ち着いた所で、悠斗が省吾を泣きそうな眼で見ていた。    泣きそう…なんで?   「うん、嫁さんだよ。なんで?」  省吾が不思議そうな顔で聞く。とうの静流は台所だ。 「だって俺より小さくて…俺、一瞬兄貴に俺と同じくらいの妹いたかと思ってあせっちゃった」 「お前がでかいんだよ、中学生で俺と並んでるもんな」 「本当に小さくて可愛いから…まさか、大人の人とは思わなくて」  あ、要するにあれか。悠斗…思春期だな。 「兄貴のお嫁さんなんだ…がっかり」 「がっかり?」 「うん、妹だったら紹介して欲しかった」 「は?」    それを聞いて俺と西風は大笑い。省吾は思いきりあっけに取られた顔だ。    静流がいくら小さくて可愛いとはいえ、中学生は無いだろう。確かにほとんど化粧もしていないが。   「あのな悠斗、サイズで判断するなよ。うちの嫁さんは俺と同じ歳だから」  省吾はため息混じりだ。可愛いと嫁を褒められたのは勿論嬉しいだろうが、 自分の嫁が中学生に間違えられたとは、ちょっと複雑だろう。   「でも、本当に可愛い…いいなぁ兄貴」  省吾が困ったような顔で笑った。嫁さん誉められて悪い気がする訳は無いけど…なぁ、省吾?  
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