心は染まらない

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 そんなことはさせない。  教師の前では無駄を嫌う優等生を演じているから、言い返すことはできないだろう。  渋々という雰囲気で教師は(うなづ)いた後、瑠唯(るい)に向かって顎をしゃくってきた。  さっさと行け、ということらしい。  「瑠唯、行きましょう。  早く一時間目の準備をしないと」  「……うん」  小さな声で返してくる彼女と一緒に正面玄関に向かう。  後ろでは、教師が次のターゲットに怒鳴っている。  生徒を怒鳴って何が楽しいのか分からない。  それとも、生徒のことを、教師の自分の奴隷と思っているのだろうか。特権を持つ一部の生徒を除いて。  まったく軽蔑にしか(あたい)しないらしい。
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