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――2017年秋 「絢、こっちこっち」 2年生の夏休み明け、高校時代の友達と会う機会があった。 「皆オシャレになったよね」 「んね」 皆で使っているメイク用品や、服をどこで買っているかの情報をシェアしたり、高校時代の思い出でひとしきり盛り上がった後、話題は私と聖のことになった。 「あんなに仲良かったのに、あっさり別れたよね」 「まさか池戸くんがあんなこてこての大学デビューしちゃうなんてね」 あの後、私は終電で帰ったし、別れ話はメッセージのやり取りであっさり済んだ。 高校での2年間は何だったのかと思うほど、淡白な終わり方だった。 「池戸くんといえば、見てよこれ」 友達が、カフェのテーブルの真ん中にスマホを置いた。 そこには、写真投稿SNSの、聖のアカウントが表示されていた。 アパレルショップの試着室で、あの時いた女子のひとりとツーショットを撮っている。 ハッシュタグには、今日のコーデを意味するものがつけられていて、表情は高校時代からは想像できないくらいキメキメだ。 なんていうか… 「「染まってるね」」 3人で口を揃えて言った後、私たちは顔を見合わせ、笑った。 それからSNSは閉じ、高校時代の思い出話を再開するのだった。 Fin
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