0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
エデンの外側
私は貴族の三男として生まれた。
幼い頃から体格がよく、体力もあったので騎士として有望だとずっと言われてきた。
その期待に応えるべく、剣と乗馬の練習をして騎士団に入隊したのだけれども、問題がひとつあった。それは、騎士団に入る前にはわからなかったことだ。
騎士団員としてはじめて戦いに行ったとき、私は人を斬ることができなかった。たとえ敵であっても、人を殺すことがおそろしかったのだ。
なんとか生きて帰ることができたけれど、すぐさまに上の審議にかけられた。
人を斬ることができなければ騎士にはなれない。私は騎士には不適合だと言われた。
それならば、家を継ぐことができない私はどうしたらいいのだろう。そう戸惑っていたらこう言われた。
修道院に入ればいい。
最初のコメントを投稿しよう!