これがぼくの接し方

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友達を作る気が無いにしても、言い方というものがある。これでは関係が悪くなって友達でないというより、それを通り越して仲間外れにされ避けられる。  担任の先生が君、今の発言は良くないよ、と注意に入る。  「同じクラスメイト同士仲良くしないと。何事も協調性は大事だよ」と言う。  それを聴き冷は再び起立し「お言葉ですが、先生。人は考え方も性格も捉え方も様々です。同じクラスメイトだから誰分け隔てなく仲良くしろというのは暴論ではないですか?同じクラスの生徒同士でも気が合う合わないはありますし、皆が皆仲良く出来るなんてことはあり得ません。第一に同じクラスメイトだからという捉え方で物事を見るのでしたら、クラスメイトに限らず、同じ年齢、同じ子供同士、同じ市に住んでいる、同じ県に住んでいる、同じ国に住んでいる、同じ世界に住んでいて同じ人間同士だから協調性を持って皆友達、そんな考え方や捉え方が通る訳がありません。仮に通るのでしたら、とっくにこの世界から争いごと、もっと言えば戦争なんて起きていません」  先生は面をくらったような顔で「いや、君それは・・・」とたじろぐ。  「これがぼくのスタイルでこれがぼくの皆さんへの接し方です」着席し姿勢を正す。  周りはますますザワつき、  そういえばあいつ、3年生の火村にケンカで勝ったらしいぞ  マジか  なんか怖い人なのかな  うち等のこと最初から拒絶しているよね  でも先生を言い負かすのは凄くね?  いや教師なんて社会経験が無くていきなり教師になるから  いやそれは極端だろ  と生徒各々が勝手に喋り出す。  「静かに!とにかくこれから社会に出ると今まで以上に人間関係が重要になってくる。その時に上手くとけ込める様に協調性はとても大切だ。君の自論は分かったけど出来るだけ人付き合いはした方が良い」と話す。
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