友達にはなれない

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「人懐っこくていつもニコニコしていて目をキラキラ輝かせていた、いやいや、全然想像できないよ!」と想像しようとしてすぐに全くピンと来ない、といった表情で景が言う。  俺は「いや、小学生の頃の冷はマジでそんな感じだったぞ」と明理の発言をフォローする。  「マジか!」  「だとすると変わりすぎじゃないか?」と貴志も言う。  「まあ、冷の小学生の頃を知っている俺たちからすると、今の冷を見ると戸惑っちゃうっていうのが正直な感想だな」と俺はそう口にする。  「そういえば、冷ちゃん昔は背が低かったけど今は男子の平均的な身長になったんだね」と気付いた事を口にする。  「まだ高い方ではありませんが」と肯定する。  「でも冷ちゃんは冷ちゃんだよね!」と笑顔で明理は今の冷を受け入れる。  みんな気分を悪くせず冷を見る目を否定ではなく肯定して見てくれた事が俺は嬉しい。本当にみんな良い奴らだ。  自由時間が終わり、荷物をまとめて帰りの支度をする。自由時間は新しい生徒同士で自分達を紹介してクラスの皆と親交を深めてコミュニケーションをとるために設けられた時間だったのでその時間が終わるとその後は特に何かをするわけでも無く家に帰る事になる。  自己紹介の後、明理が今の冷に対してどのように思うか少し不安だったが無事に収まって良かった。
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