幼馴染の青春コメです〜

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幼馴染の青春コメです〜

afd284af-779b-496d-870a-f2431ec79dcbキーンコーンkガララッ 「ぎ、ギリギリ遅刻回避っ!?」 「いや、アウトだろ」 「え、でもチャイム前に入った…?」 「チャイム中だろっ。」 「むう、いいじゃん!一ノ瀬くんのケチ!」 「ケチじゃねーし!」 なんなんだこのやりとりは…。 まぁもうこれが平日の毎朝だから、慣れたけど。 俺、一ノ瀬 夕。んでこっちの隣の…。 「おい、柊。」 「なぁに?」 「下の名前なんだっけ」 「えっ。幼馴染なのに…覚えてないのっ!?」 「おん。」 「はぁ、仕方ないなぁそんな一ノ瀬くんのために言ってあげよう。私は、柊 彩月だよ。」 「あ、そうだどっかに彩月ってやついたなぁ、て思ってたらお前か。」 「ひd…」 「おい。なぁに楽しそうにワイワイ話してんだよ?リア充共」 「ちょっ!?汀くん?」 「なんだよ汀。」 「いやぁ?なぁんかアホとしょーじょが喋ってっからさぁ。そりゃきになるだろぉ? なんで朝っぱらから教室でルンルンしてんだよバァカァ」 こいつ、口悪いけど根はいい奴。幼馴染。(いちお俺と柊と汀でずっと仲良いんだよな) 「それよか、今日一時限、生物学だぞ?教室移動しなくていいのか?」 「んはっ!生物〜?ダルっ」 「……お前頭いいから別にいいだろ」 「?一ノ瀬くん、私に妬いちゃった?ンフフ」 「コラココでイチャイチャすんなし。ふじゅんいせーこーゆーはんたーい」 「ぜってー反対してないやつ!」 「ほら行った行った。オレはそんまんま保健室行ってくるわダルいからやんねーよ。生物なんか。知らんくても生きてけるし。」 「極論言うなよ!」 「行くよ、一ノ瀬くん。そろそろセンセーに怒られる。」 「お前ら二人がまともになったってことは…あれか?天地が明日逆になんのか?」 「「な訳ない!」」 「とりあえず早く行かなきゃ!怒られんのがめんどいの。麻如(おい)せんせーは!」 走ってく柊。その手にはまた新しい傷があった。 「…。なぁ柊。」 「何。急いでるけど…。そんな大事な話?」 「……。またキズ、増えたな」 「あ、コレ?別に痛くないし。大丈夫!」 「いや大丈夫じゃねーだろ、見てるこっちが心配なんだよ」 「じゃぁ見なきゃいいじゃん。一ノ瀬くんのエッチ」 「……。」 「アレ珍しい。夕くんが言い返さないなんて。普段は、『エッチじゃねーよ!』とか言うのに。あ、わかった!体調悪い?体調悪いんなら保健し…」 「お前さ。」 結構怒った。自分のことなんてどうでもいいかのように振る舞ってる柊に。なのに俺や汀のことは心配する。(しかもすぐ) どうでも良くなんか、ないのに。 あ 「生物学。行ってももう授業追いつけないと思うよ。」 「だから?」 だからなんだよ。 「結構…怒ってんね。なんでかは知らないけど。サボろう。後で教えて欲しいなら言って。」 当たり前だ。なんでは知んないけどって。 「んな簡単にサボっていいのかよ。」 「うん。いいでしょ別に。屋上、行こう。話したい」    え? 「あぅ?」 むっちゃ変な声出た。話したいって何を? 「さき、行ってるから。それじゃ。」 「ちょ待っ……」 {続} ちょっと待ってと言いかけた一ノ瀬くんを遮って歩き出した。 はぁ。一ノ瀬くんにああは言ったけど、何から話せばいいのかな…。 一ノ瀬くん急で戸惑ってたっていうか驚いてたよね。 さすがに冷たくしすぎたかな、ちょっぴり罪悪感がある。 でも、と柊は思う。 これはもう隠しきれない。高校生になったら、一ノ瀬くんに伝えようと決めたことだ。 それに、自分に、嘘はつけないから。 そう言って、柊は、屋上へ向かったー。              ◇ ◇ はぁ、はぁはぁ…。ったく柊のやつどこ行ったんだ!? 屋上、学校の屋上にはいなかった。 「屋上ってどこの屋上なんだよ…!」 普通屋上で話したいっつたら学校だろ…。 汀にも柊の捜索は頼んでいる。学校は早退と言ってきた。そんな簡単に早退していいのかってのはまぁ。今日はいい。いいと言いたい。つまり今日一日は、フリーで使えるというわけだ。柊はちっちゃい頃からの幼馴染だし、流石に探さないってのも酷いし。 まさか…。 駅に行った…のか?それは流石にないと信じたい。何故なら電車を使ったらどこでも行ける。要は探しようがない。汀に電話をかける。トゥルルルルー。トゥルルガチャ 「おい汀。駅、調べられるか?」 『あぁお前か。駅?なんで?調べなくても…いいだろ。だってさぁ、柊はお前と喋りたいんだろ?  じゃ、お前が行ける範囲内だろ学校からさぁ。じゃねぇと話せないだろうし。  そこを配慮しない柊ではないだろ。』 「まぁそうだけど!でも学校にいないんだから配慮なくね?」 『………。幼馴染のカンってもんがあんだろ、カンってもんが。』 「カン、ね…。」 『恐らくだけどさ、駅前のでっけぇビルあんだろ?そこの屋上じゃね?』 「なんで?アイツ高所恐怖症じゃなかったっけ?」 『高所恐怖症だけど。学校授業中なのに屋上で話さねーってことはホントにお前以外に聞かれたくないんだろう、と推測したンだけど。確信はねぇよ?とりま行ってみたら?それでいなかったらもっかい電話しろ。』 「…。わかった。いく。そいじゃ。」 『おk。きるぜ。』 ブツっ。 あそこの屋上なぁ。 ………。結構俺走ったぞ?疲れてるぞ?アソコまで………はしるんか? だりぃ。なんかさぁもうちょい配慮しろよな? 俺は恐らく柊が待ってるだろうアソコの屋上をゴールに走り始めたー。            □ □ 電話をきったオレははぁ。と溜息をついた。 誰もいない部屋で一人呟く。 「柊さぁ。お前どうしたん。っつうか一ノ瀬も事情説明しろよなぁ。  いきなり『おい汀。早退するぞ。』ってさぁぁぁ。 なんで?って聞いたら、『柊が消えた。探すぞ。』 いきなりすぎるし、はぁ。」 まぁ、アソコに居れば一件落着なんだけどなぁ。 高所恐怖症とは言いつつ高校生だしいる確率は高い気がすんだけど。 ぜぇーんぶオレの予測なんだよね。確信のないただの高校生の口悪りぃ男子の憶測。電話来るまで暇だな。大した友達もいねぇし。ゲームもなぁんかやる気になれねぇし。ドラ◯エでもやるか?    ピィィィィィンポォォォン 「へぎゃっ!?」 い、インターホン?音やばくねぇか?うちん家のインターホンこんな音割れしてたか?つうかぁ、なんかオレ頼んだっけか? ピィィィィィンポォォォン やめてくれぇ!音割れしててウルセェんだよぉ! 「すいまーセーン。おとーどけーもーのーでーーーす!」 ………。声低っ。 じゃなくて!怪しすぎるだろなんかもーちょいバレないようにやるっちゅーのは頭になかったのか? ぁああ…。居留守か?居留守した方がいいやつだよな。コレ。 新たな事件…か?事件だな?事件か?ん?まぁ事件か。 (変な間) えぇぇぇー!?めんどい。暇じゃなくなったからいいけど事件はめんどすぎるって。 なんかもーちょい穏便に終わるやつを求めてたンだけど。 ………。。いや柊。柊のやつあんだぜ? 巻き込まれ…?ですか? サイアクなんか話変わってね?よし無視するぜめんどいから。 【続】
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