ある朝のこと…

2/2
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「そうさ。ヤツらはおいらたちを捕まえては逃して、 また捕まえてを繰り返すのさ」 「キャッチ&リリースですね?」 「バス釣りじゃねーし!!」 「おや、それは失礼しました(笑)」 エリーは笑って、冷蔵庫からベビーチーズを出して 銀色の包み紙を剥くと、 「ネズミさんはチーズが好物…も アニメの見過ぎですか?」 と、チャーリーに渡しました。 「まあな。でも嫌いじゃないぜ」 チャーリーはエリーからベビーチーズを前足で 器用に受け取り、大きな前歯を使って ガブリと噛みつきました。 「ネコとネズミはなんだか大変な関係なんですね」 「だろ?だろ?だからネコの話はおいらの前では NGってことでよろしくな、エリー」 「承知しました」 エリーはクスクスと笑いながら、 自分も朝ごはんにしましょうと冷蔵庫を開けて 油揚げとハムと卵を取り出しました。 「今日はこれと卵とハムでガレット風にしましょう。」 お友達のお姉さんのアパートにいる妖精さん直伝の 節約レシピだと教わっていたエリーは 早速試してみようと作り出しました。 「お、油揚げの焼けるいいニオイがするな…」 「これはキツネさんの好物では?」 「んなわけねーだろ!ガチ肉食だぜ、あいつらも」 やっぱり絵本やアニメの世界と現実は違うようです。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!