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「そうさ。ヤツらはおいらたちを捕まえては逃して、
また捕まえてを繰り返すのさ」
「キャッチ&リリースですね?」
「バス釣りじゃねーし!!」
「おや、それは失礼しました(笑)」
エリーは笑って、冷蔵庫からベビーチーズを出して
銀色の包み紙を剥くと、
「ネズミさんはチーズが好物…も
アニメの見過ぎですか?」
と、チャーリーに渡しました。
「まあな。でも嫌いじゃないぜ」
チャーリーはエリーからベビーチーズを前足で
器用に受け取り、大きな前歯を使って
ガブリと噛みつきました。
「ネコとネズミはなんだか大変な関係なんですね」
「だろ?だろ?だからネコの話はおいらの前では
NGってことでよろしくな、エリー」
「承知しました」
エリーはクスクスと笑いながら、
自分も朝ごはんにしましょうと冷蔵庫を開けて
油揚げとハムと卵を取り出しました。
「今日はこれと卵とハムでガレット風にしましょう。」
お友達のお姉さんのアパートにいる妖精さん直伝の
節約レシピだと教わっていたエリーは
早速試してみようと作り出しました。
「お、油揚げの焼けるいいニオイがするな…」
「これはキツネさんの好物では?」
「んなわけねーだろ!ガチ肉食だぜ、あいつらも」
やっぱり絵本やアニメの世界と現実は違うようです。
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