雨は上がった

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 隆之は、後ろ向きな私をいつも引っ張って前に向かせてくれる人。落ち込んだ時には、いつも隣で最後まで話を聞いてくれる人。自分の思いをちゃんと伝えてくれる人。私を一番大切に思ってくれる人……  ――達哉くん……私、前に進むね。 「じゃあ、これからもよろしくお願いします」  私は深々と頭を下げた。 「こちらこそよろしくお願いします」  相変わらずな余裕の笑みで、残りのコーヒーを飲み切った。私もつられて笑顔になる。 「あ、由莉、雨止んだ」  窓ガラス越しに外を眺める隆之の横顔が眩しい。 「ほんとだ」  カフェを出ると、歩道を歩く人が空をのぞいて傘を閉じていく。濡れたアスファルトが光を浴びてキラキラと輝く。空には晴れ間がのぞいている。 「じゃあ行こうか、デートの続き」  差し出される手に幸せを感じる。 「うん」  私は自然に手を繋ぐ。私の手を包み込む隆之の手は大きくて温かい。私はこの人と一緒に前に進むことを決めた。
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