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触れた唇が離れると、蓮が大きく息を吐き出した。
「だ、だからって。君のおうちにお世話になるのはダメだよ。こ、公私混同だからね」
「はぁ……」
雰囲気ぶち壊しである。
余韻も何もないとばかりに、梗一郎が顔を離した。
「だって、先生はもう先生じゃないじゃないですか。むしょ……」
「無職って言ったかい、君?」
「い、いえ、言ってないです」
「ボロ屋に住む無職って言ったろう?」
「言ってないです」
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