『光の収穫祭』開始(2)

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 ジャックの問いかけは、今まで何度も何度もたくさんの人から問いかけられたことだった。恨んでいるのか、恨んでいないのか。言葉にするのはいつだって難しい。それでも、一言で表すのならば――。 「恨んでいませんよ、別に」  最近少しずつ、考え方が変わってきた自覚はある。それでも、恨んでいないと未だに断言できる。そもそも、彼らには彼らの道がある。ならば、この後彼らが成功しようが破滅しようが、それが彼らの迎えた結末だったというだけなのだ。 (そりゃあ、失敗してほしいっていうきもちは、あるけれどさ)  心の中でそう付け足すが、ジャックには言わない。ただにっこりと笑って、「私には、味方がいましたから」と言うだけだ。 「それに、私、騎士団の寄宿舎でメイドとして働けて、幸せですよ。……多分、メイド業って私にぴったりの仕事だったのだと思います」 「……そうか」 「たくさんの出逢いも、ありましたしね」  ここに来て、たくさんの人と出逢った。リリスやフレディのことは残念だったが、それでもここでたくさんのことを教えてもらった。だから、メイドを辞めてもそれ相応にやっていく自信がある。そもそも、ここに来なければ自分の聖女の力が規格外だったことを、知ることもなかったのだろうから。
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