それが私の仕事ですから(2)

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「ただ、恩返しをしているだけです。……騎士団の方々、魔法騎士団の方々、皆様のお役に立つために、働いているだけです」 「そうは、見えないがな」 「……そうですか。まぁ、そうかもしれませんね」  ジャックのその言葉に、セイディはただ静かに言葉を返して目を開く。 「だって、これが私の仕事ですから。……私は、与えられた仕事を全うするだけですから」  役割があることは幸せなことだ。居場所があることも、幸せなことだ。だから、セイディは行動するだけなのだ。仕事がある以上、期待以上の結果を残す。居場所を失わないように努力をする。もちろん、不可抗力で失敗をすることも、失うこともあるのだろうが。 「……そうか」  どうやら、ジャックはこの言葉で納得してくれたらしい。そういうこともあり、セイディはただ頷いた。が、それからすぐ後のことだった。 「――っつ!」  頭を、鈍器で殴られたような酷い痛みが、セイディのことを襲った。その頭痛は到底耐えられるようなものではなく、倒れてしまいそうになる。 「おい!」  それに気が付いたからだろう。ジャックが、慌ててセイディの身体を支えてくれた。ジャックはゆっくりとセイディに声をかけてくれるが、その声さえ遠のいていく。
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