一日目の終わり(2)

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「俺はな、人に縛られることが大嫌いだ。嫌いで嫌いで仕方がない」 「……知っています」 「だがな、アシェルやジャックは俺のことを心配してああ言ってくれている。それは、よく分かっているつもりだ」  ……いきなり、彼は何を言うのだろうか。突拍子もない話題だな。心の中でそう零しながら、セイディは小首をかしげた。そんなセイディを見てか、彼は「……口うるさいって、嫌われ役だよな」なんてボソッと呟いていた。 「お前も、そういう奴だったんだろ? 元婚約者に対して」 「……そう、ですね」  話が、どうしてそこに繋がるのだろうか。確かにセイディはジャレッドに口うるさく注意をしていた。途中から諦め気味になっていたが、それでも彼にしっかりとしてほしかった。それがあの婚約破棄だったとしても、あの行動に後悔はしていない。 「まぁ、セイディの心配がアイツには伝わらなかったみたいだけれどな。……だから、心の隙を突かれてアーネストの奴に付け込まれた」  淡々と語られるミリウスの言葉に、セイディはそっと視線を逸らす。彼の言っていることは、正しい。ジャレッドは甘い方へと甘い方へと進む癖があり、そこをレイラにも付け込まれていた。レイラよりも狡賢いアーネストならば、彼に付け入ることは容易いことだっただろう。
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